三田矯正歯科医院ブログ

2019.11.15更新

この記事は、当院に勤務をお考え頂ける方へ向けた記事となっております。


 

新卒の方にしろ既卒の方にしろ新しい職場に勤務する前は、そこの歯科医院にどのような教育プログラムや育成プログラムがあるか気になると思います。しかし実際には勤めてみないとわからないという部分があるかと思いますし、ましてや、新たな環境で初日からの数日間は不安で一杯だと思います。その辺をうまく伝えられることが出来ないかと悩んでいたところ、当院のチーフ衛生士が2016年の2月に日本臨床矯正歯科医会長野大会でのスタッフプログラムで発表した「当院におけるスタッフ育成3つのポイント」のスライドを公開しても良いとの快諾を得られましたので公開します。

 

始まり。クリックしてもスライドショーにはなりません(;^_^A

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歯科医師2名、歯科衛生士5名、受付1名と院内技工士1名の全9名で日々の診療に励んでおります。1997年の開院以来、私たちチームスタッフは全員が常勤スタッフです。全員が同じ曜日に出勤し、同じ時間に仕事をはじめ、同じ時間に仕事を終える、それが最良の形態であると考えております。春から新しくスタッフを迎え入れる歯科医院や、事業拡大での新規採用、また、女性の職場でもある歯科医院では、結婚、出産、育児、介護などでスタッフが離職することも避けられず、歯科医院にとって、スタッフ育成は大きな課題となっています!

 

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当院でも退職するスタッフと入れ替わりに、昨年、ピカピカの新卒歯科衛生士が3名、チームメンバーに加わることになりました。
私が新人だった頃は、とにかく「見て覚えてね!」という本人任せの育成方法で、行き当たりばったりの指導になることがほとんどでした。
最近では、そうした方法ではうまくいかないことも多く、今回は、新卒スタッフを受け入れるにあたり、今までの育成方法を見直して、新卒のスタッフが、確実に仕事を覚えられる環境を整えることを院長と話し合いました。

 

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そして、当院が新人スタッフ育成を行なっていくにあたり、大きく3つのポイントにまとめました。ポイント1、2、3、と内容を順にご説明していきます。

 

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ポイント1、歯科医院の理念を伝える。医院の方向性を明確化し全員で意識共有する。

 

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まず臨床に入る前に、院長によるマインド教育を行います。新人スタッフたちへ歯科医院の理念や医院の目指す方向性など、院長が私たちスタッフに望んでいること、何を大切にしているのかをわかりやすくエピソードを交えながら、共感してもらえるように伝えてもらいます。また、女性である副院長からは医療人としての身だしなみや礼儀作法、言葉遣いなど基本的マナーも教えていただきます。
ここで大事なことは、三田矯正のチームの一員として、一人ひとりの役割を理解し、働くことへの意義を知ってもらうことです!
新卒スタッフは特に、これから働く歯科医院が、今後の歯科衛生士人生を左右する、大事な一年間になりますので指導にあたる私たち先輩スタッフも、再度意識確認をしながら、新人スタッフの育成へと進めていくようにしています。

 

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こちらが、院長の熱いマインド教育内容の一部になります。たくさんありますが、これらの項目について一つずつレクチャーを受けていきます。

 

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先ほどの医院理念をもとにミーティングは欠かせません!朝礼ミーティングでは、来院患者さんの処置内容を確認し、1日の流れを把握することから始まります。毎日、診療室では小さな出来事や、時にアクシデントが起こることもあります。問題が起きれば、早急に改善点をみんなで話し合います。全体ミーティングでは、良いことも悪いことも、情報を共有し、新人スタッフと少しずつ医院の文化を作っていくことが大切だと思います。

 

POINT2

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次にポイント2、医院マニュアルの活用。スタッフレベルの統一を図るです!

 

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院内での限りある時間を有効に活用するためには、効率的に、新人スタッフの育成を進めなければなりません!当院のマニュアルは3種類あり、先輩スタッフが中心にマニュアルを使ったスキル教育をおこなっていきます。
新人スタッフは覚えることがたくさんあって大変ですが、マニュアルがあることで安心に繋がるようです。そして、教える側、教えられる側の指導時間の短縮になるというメリットもあります。
また、教える側が複数の場合、教え方に差があったり、教える側のレベルが統一されていないと新人スタッフを混乱させてしまうことになりますので注意が必要になりますが、誰が教えても仕事の質を一定に保てるように、教える側のレベルを統一するためのマニュアルでもあります!

 

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臨床マニュアルでは、できるだけ写真を多く使用し、プライヤーの種類や器具の名称、準備するものなどを、一目で誰がみてもわかりやすいようにすると、より理解度を高めることができます。

 

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そして、全てに使用するマニュアルは定期的に見直します。医院の仕事も少しずつ変化していますので継続しての改善が必要だと思います。業務内容の変更点や新しいルールがあれば、随時マニュアルをアップデートし、より伝わりやすい内容へと進化させていきます。
マニュアルを用意している医院は多いと思いますが、多岐にわたる仕事のマニュアルをただ読んでおいてね!と言うだけではなかなかスタッフは理解してくれません。
実際のところ、有効にマニュアルが使われていることは、少ないようです。

 

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そこで、当院はマニュアルの一部を新人スタッフに作成してもらうようにしています。すでに、日常業務を体で覚えてしまってるような先輩スタッフが作成したマニュアルは新人スタッフには分かりづらく使いづらいものになる場合が多いと感じています。
新人スタッフがマニュアルを作成すると、教わったことをメモに取り、自分自身がわかるように、マニュアルを作ることでレベルに合ったわかりやすいマニュアルができます。新人が作るマニュアルなので完璧でなくてもOKとします。
作成してくれたマニュアルの内容を、先生と先輩スタッフとで確認し、完成させます!また、マニュアルの作成を通して、報告、連絡、相談のホウレンソウの体制を作れるようにしていきます。

 

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こちらは新人スタッフに作成してもらったマニュアルになります。当院でのダイレクトボンディング時に使用するブラケットの種類や、使用する薬剤は何種類もあり、準備の時、ミスが度々起こることがありました。
新しいボンディング材の追加もありましたので、わかりやすいように表にまとめてもらい使用手順のマニュアルも再度作成してもらうことにしました。
新人目線で、とてもわかりやすくまとめてくれました!!

 

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また、装置の入った患者さんへ装置の内容や注意点などを必ず患者さんに説明していますが、その時にはツールを使用し、スタッフ全員が同じ説明が出来るようにしています。
新人スタッフは先輩が患者さんに説明しているところを何度も見て、大事なポイントや言い回し方などメモに取ります。そして、実際の場面を想定してロールプレイングを中心に練習していきます。
患者さんへの説明に差がでないようにトレーニングし、全員が同じレベルで説明出来るように、スタッフレベルの統一を図っていきます!

 

POINT3

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最後のポイント3、チェックシートで評価。目に見える成果を実感しモチベーションアップ!

 

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マニュアルを使用しながら、実際のトレーニング時にチェックシートを活用します。
チェックシートには、週単位での目標とそれぞれの内容の項目が細かく書かれており習った項目にチェックをして、日付を記入するようになっています。あらかじめ期間を決めて、いつまでにこれだけのことをするんだ!と仕事を視える化することで、育成計画もたてやすくなります。
進め方は、ステップ1で説明、見学。先輩スタッフの仕事を見学し、仕事内容について説明を受けます。すぐに実践はせず、まずは見て聞くだけにします。
次のステップ2では、指導、練習。先輩スタッフが手取り足とり一緒に練習をします。
それから、ステップ3で、実践に入ります。ここは最低3回は繰り返しおこなうようにします。
そして、ステップ4で評価をして独り立ちとなりますが、評価後もしばらくは先輩スタッフが確認に入るようにしています。

 

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ビジネス用語ではよく聞かれるPDCAサイクルを基にして、チェックシートを進めていきます。
Pのプランで、育成計画を立て、Dのドゥで、計画の通りに仕事を実行し経験させます。そしてCのチェックで計画とおりに進められているか?出来ていない部分はないか? などチェックし評価をします。 Aのアクションでは出来ていなかった部分や問題点があれば改善し、次の新たな計画を立てるという流れを作り、業務を進行させます。
新人スタッフの育成に限らず、院内のすべての業務にこのPDCAサイクルを当てはめて行動することを心がけています。

 

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新人のチェックシートは一週間に一度先輩スタッフが個々にチェックします。チェックシートを進めながら、毎日覚える内容をステップごとに細分化させ、1日、1週間、1ヶ月と一つ一つ小さな目標を積み重ねて自信をつけさせてあげることが大事です。
ミスを繰り返す項目があったり、新しいことへのモチベーションが低下した時は、チェックシートを見ながら、習ったことをフィードバックし、一緒に課題を考えます。

 

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今回、新人衛生士と先輩衛生士が二人一組でのバディ体制をとることができました。
マニュアルとチェックシートを一緒に進めながら、成長の過程をサポートするようにしました!受付業務とラボの仕事はそれぞれ受付と技工士が担当し同じくサポートに入りました。
以前、新人スタッフがわからないことがあって質問したくても、誰に聞いたら良いか分からず困っていたり、曖昧に行動することで患者さんに迷惑をかけたりすることもありました。
わからないことは誰に質問すれば良いのかを明確にしていなかったことが原因でしたが、バディ体制をとることで改善しました。いずれも褒めることを忘れずに、コミュニケーションをとるようにすることを心がけています。

 

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こちらは実際に後輩が使っていたチェックシートです。完全ではない部分もありますが、涙ぐましい努力の証がここにあります!チェックシートを使うことにより、新人は覚えなければならない仕事内容と、今の自分が出来ているところと出来ていないところを一目で知ることができます。
また指導する側も、新人が一人ではなく二人以上いる場合には、誰が何を指導し誰がどこまで出来るようになっているのかを把握することができます。
それぞれの苦手な部分がはっきりして、トレーニングを強化する部分が明確になるというメリットがあります。

 

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何より、サインをもらう!という目に見えるゴールがあると自然と頑張ろう!という意欲がわきますし、モチベーションアップの維持にもつながります。
実際に、新人スタッフ同士、チェックシートで自分の苦手なところを積極的に練習したりお昼休みの少しの時間を練習にあてたりと効率よく練習している姿がありました。

 

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院長はあえて参加しないスタッフだけのミーティングも行います。時に昼休みの時間を使うなど新人スタッフと積極的に意見交換の場を作るようにしました!全体ミーティングとは違い、あまり時間をかけずに気楽に行うようにしています。
何かわからないことはない?と先輩はつい質問しがちですが、何がわからないかが、わからないということが多いのも新人時代にはよくあることだと思います。
報告、連絡、相談、を新人スタッフから待つだけでなく、あえてこちらから〇〇は大丈夫そう?と質問してあげることでわかっていない部分に気づくことができたりします。
また、医院に長くいると見えなくなってくる部分が実はたくさんあったりします。新人の目線でどんどん見つけてもらい話し合うことでスタッフ力の向上に繋げています。

 

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ある日の技術トレーニングの時のことです。
(こんな会話が交わされていました。)
新人スタッフは衛生士学校の教科書に書いてあることではなくて、先輩のちょっとしたこだわりやコツを学ぼうと一生懸命でした!マニュアルをどんなに整備しても、マニュアルだけではカバーできない部分が必ずあります。印象採得一つにしても、それは訓練と経験の差があるからです!
院内技工士からの直接の指導もあります。ピッタリあった装置を作成する使命がある技工士、そのためには、私たちが採る印象が完璧でなくてはなりません。

すべては患者さんの笑顔のために。。。それぞれの職種がお互いを認め合い、お互いを思いやり協力し合える環境作りがとても大事なのではないかと思います!

 

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 まとめです。

当院はこの3つのポイントを軸に新人スタッフがスムーズに仕事をスタートできるよう色々と考え、取り組んできました。誰にでも、新人だった頃があり、始まりがあります!
衛生士学校を卒業しただけではまだ歯科衛生士として医療人とは到底言えません。私も、たくさんの人に支えられ、患者さんからも多くのことを学び経験を重ね、今日に至ります。
また、新人スタッフの育成という役割を頂き、人のお手本となる難しさや教える大変さを実感しました。しかし、新人教育をおこなうことで新人スタッフと共に自分も成長できたことを強く感じています。
まだまだ頼りない私ですが、今後は、新人スタッフたちが歯科衛生士として医療人として医院のために何ができるのか?患者さんのために何をするべきか?を自ら考え行動できるまで、当たり前のことを当たりまえにできる先輩でいたいと思っています。

 

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そして、スタッフ全員が人材から人財へとなるように、これからもチーム一丸となり頑張っていきます!!また、このような発表の機会をいただけたことに深く感謝いたします。

 

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昨日はこの発表がうまくいくように皆で善光寺にお参りして来ました。ご静聴ありがとうございました。

 

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投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2019.11.07更新

この記事は、当院に勤務をお考え頂ける方へ向けた記事となっております。


衛生士学校の中には、新卒で矯正歯科専門の歯科医院に勤めてしまうと、もしも一般歯科に就職し直したいと考えたときに不利になるので最初は一般歯科に勤務するようにと指導しているところが多いようです。実際当院に一般歯科から移って来た方も「本当は矯正歯科に興味があったけれど衛生士学校で反対されたから最初は一般歯科に勤めた」とか、「衛生士学校の先生には反対されたけれど、矯正歯科にとても興味があったから」ということで新卒で当院に勤務してくれたりと様々ですが、やはり最初に矯正歯科に勤務するのは避けた方が良いと指導している学校は少なくないようです。

確かに最初から矯正歯科に勤めると一般歯科のアシスト業務やSRPの技術は一般歯科に勤めた同期の衛生士さんよりも劣ってしまうかも知れません。しかし、技術的なことはいつか必ず誰でも出来るようになります。

難しいのは最初に勤務した歯科医院で身についてしまいう「仕事に対する考え方」です。ここがズレてしまうと、どれだけ技術が高くても組織の中では浮いてしまいます。まして従業員数10名以下というところが圧倒的に多い歯科医院では、ドクターや同僚と良好な人間関係を持つことは困難になっていくと思います。歯科衛生士という頑張って取得した国家資格である以上、個人の能力も大切ですが、自分が属する組織・チームが目指す方向性との協調性やお互いが協力しあって集団としてどれだけ能力が発揮できるかの方が歯科医院では必要です。

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世界で初めて胃大動脈グラフトを使用した冠動脈バイパスを開発し、日本で初めてバチスタ手術を行なったことで有名な心臓血管外科医、須磨久善先生のお言葉:心臓手術というのはF1レースみたいなもの。外科医だけが腕が良くても、それを支えるメカニックであるスタッフが同じくらいのレベルでまとまっていないと絶対に勝てない。だから、どれだけ高いレベルできちっとしたチームプレーが出来るかっていうことが大切。

日本はまだまだ学歴社会かも知れませんが、国によっては個人の能力よりも集団の中で皆で討論し、協力し合ってチームで1つの成果を出すことの訓練を学校教育に取り入れた方が社会に出てから役立ち、それが、国の力や国益に繋がることに気づき実践しています。

 

そもそも歯科衛生士としてのスキルは技術だけではありません。現在、ほとんどの歯科医院で「歯科衛生士としてのスキル」といえば、「スケーリングのテクニック」や「テックをどれだけ早く作れるか」などだと思います。しかし、そのような「テクニック」はスキルの30%程度です。残りは「ヒューマンスキル」と「コンセプチュアルスキル」です。

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当院の新人教育で使用しているスライドから。必要な3つのスキル。

「ヒューマンスキル」とは人間性、人間力を指します。患者さんとの信頼関係、院長との信頼関係を築く力です。「コンセプチャアルスキル」とは、改善提案力、創造力、実行力を指します。つまり「医院を良くするために、どのようなことをすればいいかを考えることができ、それを提案して、結果を出す力」といえます。

歯科衛生士の仕事として、技術的なことだけでなく、患者さんに喜んで頂き、歯科医院が良くなっていく」ことを意識して仕事を出来る方は、どこに行っても、例え他の職種に就いたとしても重宝されると思います。

 

 

 

 



投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2019.11.03更新

今日は文化の日ですが、医院で雑用。ふと気づくと、待合室に掲示してある日本成人矯正歯科学会の認定医証に違和感発見。

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自分では入れ替えたつもりだったのですが、期限切れのものを掲示しておりました。誰もそこまで見ていないとは思いますが、もしも気づいた方は「更新試験不合格?」の疑念を持たれたかも知れません。そんなことよりも、昨年末に更新試験を受けて確か5月末頃に届いてはずの新しい認定医証を探す作業で、本日行う予定であった雑用のための時間がどんどん無くなっていきます。

見つけました。

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毎日、嘘みたいに大量に届く郵便物の中で、必要なものと必要でないものを分け、後で見ようと思っていた束の中に紛れていました。入れ替え作業も終わり、これにて一件落着です。

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ここから余談です。この認定医証を私は取得以来永年にわたって掲示する必要を感じていなかったのですが、数年前から掲示するようにしました。下の日本矯正歯科学会認定医更新試験時の提出書類の中に今までの認定医証のコピーも含まれているのですが、何処にしまったかわからなくなってしまい探し出すのに大変な苦労をした経験があります。そのときに結局、掲示しておくのが一番「どこに行ったかわからない」事態を防げることに気づき、掲示することにしました。

こんな大事なものを紛失した経験があるため、取り外しが可能な矯正装置を紛失した患者さんに対して、あまり強く言えない私がいる訳です。

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

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