小児矯正で健やかな成長を
子どもの矯正はなぜ必要か
歯並びは、全身の健康や精神面にも影響を与えます。
歯並びは遺伝に左右されるものだとお考えの方もおられますが、乳歯の時にむし歯が多い、成長期にレトルト食品やジャンクフードばかりを食べるなど、生活環境に影響されているケースも少なくありません。欧米では、大半の親御さんがお子さんに矯正歯科治療を受けさせています。きれいな歯並びが、社会的に大切なものになるだろうと考えており、小児矯正に積極的に取り組んでいるのです。
矯正歯科治療を始めるタイミング
これまでの矯正歯科治療は、永久歯が生えそろってから行うものだというイメージがありました。しかし、現在では、永久歯と乳歯が混在する小学生のうちから治療をすべき、という考え方が一般的です。早期治療によって患者さんの負担が軽くなり、抜歯をせずに治療できる可能性が高くなるからです。
早期治療(第1期治療)
口腔内に、乳歯と永久歯が混在している時期に行う治療です。顎の骨の発育をコントロールしながら治療できるため、抜歯をしなくても済む可能性が高くなります。その後、本格治療(第2期治療)で歯並びを整えるケースが多いです。
目立たない装置:透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザラインファースト・薬機法対象外)も可能です。詳しくはこちら→早期治療での透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザラインファースト・薬機法対象外)について
本格治療(第2期治療)
永久歯が生えそろってから行う治療です。先に早期治療(第1期治療)を終えている場合、本格治療(第2期治療)の負担が減ります。
子どもの頃に矯正をするメリット
子どものうちから矯正を行うことで、さまざまなメリットを得ることができます。
まず、子どもは成長する力を使って治療ができます。また、大人と比較すると歯を動かしやすく、矯正装置の装着が短期間で済みます。そして、歯みがきがしやすくなり、むし歯や歯周病予防になります。
早い時期に歯並びが整えば、口腔内はもちろん、全身の正しい機能や形態の発育を促せるのです。
インビザラインファースト(透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の一つ)とは?
混合歯列期の矯正治療(早期治療:第1期治療)でよく行われる治療として、歯列の拡大と前歯の整列があります。従来の矯正法では、これらを別々の時期に2度に分けて行う必要がありました。
インビザラインファースト(透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つ)の場合、「歯列の拡大」と「前歯の整列」を同時に行うことができるのが大きな特徴です。これにより、矯正治療の期間の短縮や、来院回数を減らすことが可能になります。
【その他の利点として】
※透明で目立たない
※取り外しができるので、普段通り食事ができる
※歯磨きのときに取り外しができるので、虫歯のリスクを下げることができる
※従来の針金や凸凹の多いブラケットを使用しないため、矯正装置が原因となる口内炎の発生リスクが少ない。
※同様に、転んだりボールが顔に当たったりしても矯正装置によるケガの心配が少ない。
※痛みを伴う破損が少ない
※通院回数が少ない
【注意点として】
※1日20時間以上の装着が必要
例として、食事の後に装着し忘れるなどして1日20時間以上の装着ができないと、矯正治療期間が延びたり矯正結果に悪影響がでます。
【インビザラインファースト(透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つ)の適応条件】
※下記1.~3.すべての条件が必要です。
1.第一大臼歯が萌出している
2.切歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
3.少なくとも3/4顎に乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯 (3、4、5)が2歯以上ある
※歯並びの状態によっては、従来の装置をおすすめする場合もあります。
※従来の装置と同様に、早期治療:1期治療だけで治療が完了することは殆ど無く、永久歯列完成後に本格治療:第2期治療が必要になります。
※骨格性反対咬合の治療や上顎前突の治療では、インビザラインファースト(透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つ)以外にも顎外固定装置を使用する場合があります。その場合、費用はインビザラインファースト(透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つ)の費用に含まれます。
症例・反対咬合の早期治療例(Y君のケース)
治療開始年齢 | 7歳4ヶ月 |
---|---|
治療期間 | 1年2ヶ月 |
レントゲン分析の結果、Y君は上顎の骨が後方にある骨格性の反対咬合でした。他にも上下の歯列の横幅が合わず、下顎が左側に傾いていたのです。
主な治療の内容は、上下の歯列拡大と上顎骨の成長を促すというもの。前歯には装置をつけなかったことから早期治療となりました。ただし、類似のケースでは、すべての歯が永久歯に変わってから、仕上げに本格治療をする場合もあります。
お口の筋肉を鍛える口腔筋機能療法(MFT)
お子さんにこんなクセありませんか?
頬杖、指しゃぶり、爪・唇などを噛む、丸飲み 舌癖(ぜつへき)、口呼吸……、これらのクセは、咬み合わせや歯並びに悪影響を与えてしまいます。「本人のクセだから」と放置すると、開咬や上顎前突、下顎前突・交叉咬合などになったり、顎の成長や姿勢にも悪影響与えたりしてしまうのです。
口腔筋機能療法(MFT)
顎の骨を土台として生えている歯の位置を保つためには、頬や唇、舌の筋肉の力が欠かせません。当院では、お口のバランスを整えるため、口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれるトレーニングを行っています。お子さんのクセやお口や姿勢の状態によって、適切なトレーニングがあります。
※大人もトレーニングできます。