三田矯正歯科ブログ

2020.09.03更新

最近、こればっかりの感がありますが、本日も透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療に関するWEBセミナー:Invisalign Online Study Clubに出席しました。

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キーボードが余りにも汚いのでボカシました(^_^;)

本日は2つの講演がありましたが、どちらもコロナ禍におけるというのがポイントのセミナーでした。最初のセミナーは『withコロナ時代のonline診療』ということで、この辺りの発想力や感性、実行力は、若い先生ならではであり驚きの連続でした。

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なるほどなるほど、現在、所属している歯科医師のWEB会議では○○○○○を使用しているけれど、online診療では□□□□か、△△△△しか考えられない訳ですね。ありがとうございました。

次のセミナーは、The Feture World of Invisalignということで、

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スマートフォンアプリを用いたバーチャル・アポイントメントやバーチャル・ケアの話題で、全く来院しないで治療できるはずもありませんが、来院の回数を減らすことは可能かも知れません。だからと言って、安易に導入することは避け、慎重に検討する必要がありそうです。ただ間違いなく言えることは、何事もそこに止まることはなく、時代は流れて変化しているということです。なんだかワクワク楽しくさせて頂ける夢のある話しを拝聴できました。

 

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2020.08.17更新

本日は、今年限りの8月10日山の日でしたが、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療に関するWEBセミナー:デジタル3Dデータを用いた、クリンチェック治療計画の作成および評価方法(応用編)に出席しました。

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講師の個人情報は隠しました。この後のセミナー自体は撮影禁止です。

透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療の成功の鍵は、患者さんサイドからは使用時間と正しい使用法。ドクター側からは症例選択と適切な治療計画(クリンチェック)の作成がメインになるかと思います。どちらかと言えば、歴史がそれほど長くないこの治療法では、治療計画作成のノウハウも日進月歩で、優秀な矯正歯科医同志の情報交換により、少しずつ良くなっているように思えます。10年ほど前までは、「プラスティックをはめているだけで治る訳無いだろう!」と殆どの矯正歯科を専門にしている歯科医師は見向きもしなかったこの治療法も、改良が重ねられ、治療可能な症例の範囲も急速に広まってきました。反面、矯正治療の知識や経験が乏しい歯科医師でも、歯型さえ採れば後はコンピュータが治療してくれると勘違いして手軽に開始してしまうという性質があり、残念な結果を多く生み出してしまっていることも事実です。最近、雨後の筍のごとく出現している○○○ラインなどの格安マウスピース矯正ビジネスなどは、、、それは機会があれば書くことにしましょう。

話がそれました。以前も書きましたが、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療においては、他のどのマウスピース矯正にも見られない優秀な治療計画シミュレーションソフトがあります。しかしながら、今あるマウスピース矯正の中で最も優れていると思われるクリンチェックも、矯正歯科治療経験豊富な歯科医師が修正しないと、そのままでは使い物になりません。シミュレーションの中には非現実的な動きが含まれていることが多く、それを現実的なものに変えるため、何度も修正指示を出さなければいけませんし、それ以前にこのシミュレーションでは、頭蓋の中でどこに歯が存在しているのかまでは再現されません。つまり、歯列が顔貌の中で平均よりも前方に位置しているのか、後方に位置しているのか、右にズレているのか、左にズレているのか等の情報は含まれておりません。そのため矯正歯科医が従来通りの検査データに基づく診断を行い、矯正治療後のゴール設定を明確にして指示書を記載します。そうしなければ、前歯を前方に傾斜させてはいけない症例なのに前歯を前方傾斜させる計画が出来てきたり、(歯を支えている骨の厚みが足りないのに)歯列の拡大量が現実的でない計画が出来てきてしまいます。

今回のWEBセミナーではこのクリンチェック治療計画を、どれだけ実際の歯列と頭蓋の位置関係と一致させられるかについての有益な情報を得ることが出来ました。日々、進化していく治療法に、おいていかれないよう頑張らないといけません。

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2020.07.16更新

本日も、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療に関するWEB形式のスタディークラブに参加しました。WEBセミナーが主流になってきたためか、やたらセミナーが増えていますし、何より会場まで出向かなくて済むので、『これはもう聞かなくても良いかな〜』と思うものにも取り敢えず参加登録してしまいます。

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会場参加型でも、大抵1時間前に到着してしまい時間を持て余すのですが、WEBセミナーになっても早く入り過ぎて時間を持て余すのは一緒です。

今回は、いわゆる上顎前突症例を透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置で治療する場合のトピックスでしたが、目から鱗の連続で、参加申し込みしておいて本当に良かったと思えるセミナーでした。特に、上顎大臼歯の遠心移動に関するモヤモヤした感覚が、とてもクリアになりました。透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置に関してよく言われているある考え方について「それ本当?」と疑問を持っていたのですが、私と同じような考えの意見を伺えて自信になりましたし、対応策も理解することができました。ご講演頂いた講師の先生にとても感謝です。

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2020.07.09更新

毎年7月は東京矯正歯科学会が開催され、大抵は有楽町で開催されます。参加すれば、いつも誰かしら知り合いに会えますし、普段そんなに頻繁には行けない銀座でランチなんてことも可能な訳ですが、今年は当然の如く集会は無理ですのでWEB開催です。ちょっと残念ですが、状況を鑑みれば仕方ありません(余談ですが、この日の東京都は過去最高の224人が新型コロナウィルスに感染判明でした)。

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一般講演10題、特別講演1題だけでしたので、午前中には全ての講演を視聴できました。

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13時からは、これも事前に申し込みをしていたWEBセミナー:invisalign Master Course_Live Sessionに参加しました。

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透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療において、困難とされる症例に関する検討会でした。当院でも2013年にこの治療法を導入した頃には非抜歯法で治療可能な比較的easyなケースにのみ使用しておりましたが、最近では抜歯が必要な症例でも応用しています。但し下顎に関しては、前から5番目の歯を抜歯しないと治らない症例では、大きな第1大臼歯が手前側に倒れ込んでしまいやすく、当院では原則、従来のWIREを使用した矯正装置で行っています。今回、下顎5番目の歯を抜歯して治療する際に、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療においても大きな第一大臼歯が手前側に倒れ込まない方法に関して、貴重なヒントを得ることが出来ました。導入するかは慎重に検討する必要はありますが、参加して良かったと思えるトピックスでした。

もう1点、矯正歯科治療で抜歯が必要な場合には、原則として上下左右で1本ずつ=計4本が一般的です。例外的に上だけ2本とか下だけ2本とかもありますが、(生まれつき歯の数が足りないとか、矯正以外の理由で既に1本抜いてある以外では)奇数の歯を抜歯するということは殆どありません。ただ、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療の場合には、従来のWIREを用いた矯正歯科装置とは異なる歯の移動様式により、(歯数を合わせるために余計な抜歯を行うことなく)奇数の抜歯でも上手くいくことがあり得るかな?と感覚的に思って実践している場合がありました。ただ、教科書的ではないのでどうかな?と言う悩みもあったのですが、同様に考え治療されている症例を多く見せて頂き、自分の考えに自信を持つことが出来ました。その他、やはり透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療では困難とされている過蓋咬合(咬み合わせが深い)の治療に関しても、目からウロコの手法を拝聴できて、有意義な1日となりました。

※矯正歯科治療における、抜歯・非抜歯に関しては、こちらもご覧ください。→【拙文 : 歯を抜く矯正 抜かない矯正】

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2020.05.17更新

マウスピース型カスタム矯正歯科装置に関するセミナーが開催されたので参加しました。もちろん新型コロナウィルスの影響で集会型は無理ですのでZOOMを利用したWebinarです。

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余談ですが、歯科医師会の理事会はWebex、委員会ではSkype、矯正歯科医会神奈川支部の委員会ではWherebyと、かなり混乱しますね(^_^;)

どちらかと言えば、導入コース的な意味合いが強いセミナーでしたが、以前から講演を聞いてみたいと思っていた先生で、多くのヒント頂くことができました。なによりも、夢を抱かせて頂けるセミナーであり、もっともっと成長したいと思わせて頂けたことに、とても感謝です。

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投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2019.07.25更新

久しぶりの目黒、久しぶりのJR東急目黒ビルです。

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アラインテクノロジージャパン本社で開催された、マウスピース型カスタム矯正歯科装置に関する Study Clubに久々に参加してきました。どちらかと言えば、導入して間もない歯科医師対象のコースが多かったことと、7月から新たに就任した理事職の関係で予定が入れづらかったこともあって、最近は案内を頂いてもスルーすることが多かったスタディクラブです。

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ただ今回は、講師の先生がちょっとした知り合いであったことと(このときも同じテーブルでした)、私が知りたい情報に関する講演内容が含まれていたので、参加申し込みをしました。結果として参加できてとても有意義な1日となりました。日々、進化している治療法なので新しい情報もあり、聞いておいて良かったと思えるお話しばかりでした。公演後の質疑応答で、私の捻くれた質問にも丁寧に回答頂き感謝です。

以下、前回の投稿と全くの同文です。せっかく東京まで来ましたが、今月から始まった歯科医師会専務業の影響で医院の雑用が溜まっています。そのため寄り道せずに帰りました。趣味の撮影はしばらく御預けです。

 

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2018.12.02更新

本日は目黒の雅叙園で開催されたマウスピース型カスタム矯正歯科装置に関するミーティングに参加してきました。

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全くの余談ですが、53年11ヶ月生きてきて初めての雅叙園です。

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『聖夜樹』さすが雅叙園、Xmasツリーも他とはひと味もふた味も違います。

話がそれました。本日は、マウスピース型カスタム矯正歯科装置での治療に関して(技術評価ではなく)年間症例数が一定数以上の歯科医師だけが参加できるセミナー及び症例検討会でした。私は昨年から参加資格があったのですが日程が合わずに参加出来ませんでしたが、今年はなんとか都合をつけて参加することにしました。

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まずは銀座のM先生と金沢のK先生からの御講演二題を拝聴した後、指定されたテーブルごとに分かれてラウンドテーブルディスカッションです。テーマは『難症例を考える』となっていたので、従来ならばマウスピース型カスタム矯正歯科装置では治療が難しいとされている症状の治療例を持参したのですが、はっきり言って緊張します。しかもテーブルに座ってビックリ!同じテーブルにはクリニカルスピーカーでもある大阪のA先生やマウスピース型カスタム矯正歯科装置に特化した矯正歯科医院を開業されている東京のI先生や『見えない矯正』に特化した東京のK先生が着席されており、(実は皆様よく知ってる仲ではあるのですが)自分の症例がどのように評価されるかとても不安になりました。緊張で心臓が飛び出しそうでしたが無事プレゼンも終わり、さらに尊敬している先生から幸いにも「良く治ってますね」と言って頂き、お陰様で笑顔で記念撮影に収まることができました。

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私たちのテーブルでは1名の先生が欠席されたようで、少し時間が余ったので他のテーブルも見てまわることができ、参考になる治療例を予定外に見ることが出来たりもしてラッキーでした。

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さて、せっかく東京まで来たのでセミナー終了後は目黒駅のコインロッカーに預けておいた機材を取り出し押上まで移動。以前から撮ってみたかった十間橋です。

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意外と難しく、川に映る逆さスカイツリーは肉眼では見えても写真には写ってくれません。逆さスカイツリーも写るようにとISOをあげれば実物のツリーが真っ白に。そんな訳で、これは露出を変えて撮った2枚を合成しています。でも、この日は風もあったため水面が揺らぎ、シャープな逆さスカイツリーは撮れませんでした。

次は柳島歩道橋です。

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 ここからスカイツリーと車のヘッドライトとテールランプの軌跡を狙ったのですが、突然の雨で風向きも悪く、どうにも避けようがない水滴がレンズに付着してしまいます。撮りはじめて直ぐに諦めて撤収しました。

最後は京成押上線の踏切辺りからスカイツリーと電車の軌跡です。

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電車がステンレス製なので軌跡のラインが綺麗に写ってくれますが、やはり雨の水滴がレンズに付着します。予定では、スカイツリー周辺でまだまだ撮るべき場所を決めてあったのですが、またの機会にします。

 

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2018.09.10更新

昨日に続いて本日は、東京コンファレンスセンター品川で開催されたマウスピース型カスタム矯正歯科装置に関するMaster Courseに参加してきました。

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講師は昨日もご講演頂いたイタリアのGarino先生、講演テーマは『Treating complex cases with Invisalign:Where are the limits?』でした。マウスピース型カスタム矯正歯科装置は、『装置が目立たない』『取り外しが可能なため歯ブラシがしやすく虫歯になりにくい』という利点がある反面、『適応できる症状が限られている』という欠点があります。いや、欠点があるとされています。しかし、まだこの未来型装置の性能や治療法については今後益々改良されていくことは間違いなく、近い将来には現在のWIRE矯正で治せる症状は全てマウスピース型カスタム矯正歯科装置でも治療可能な日が訪れるかもしれません。

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Garino先生の講演では、今までならばマウスピース型カスタム矯正歯科装置では治療が難しいとされていた症例もマウスピース型カスタム矯正歯科装置で治療を行い、しかも良く治っていると思いました。同じ矯正歯科医として、私も頑張らないといけないと強く思いました。

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話は変わって昨日の永代橋からもう1枚。リバーシティ21側は物凄い三脚の数が並んでいましたが、反対側でも撮っているのは私1人でした。『人の行く裏に道あり花の山』と言いたいところですが、こちら側でもたいした写真は撮れませんでした。

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投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2018.09.09更新

本日は虎ノ門ヒルズで開催されたマウスピース型カスタム矯正歯科装置に関する Forum 2018に院長と副院長で出席してきました。ちなみに虎ノ門ヒルズという建物を実際に見たり、中に入ったりすることは初めてでした。

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iPhoneでは、上から下まで全てを入れることは出来ませんでした。

開演30分前なのに前の方から席が埋まってしまっています。知り合いの矯正歯科医も全国から多数出席されていて、今回のForumへの関心の高さが伺えます。

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まずはイタリアのガリーノ先生による『Aligner therapy in growing patients:tools and strategies』のご講演。その後も多くの先生の講演がありましたが、今回は共通のテーマがありました。マウスピース型カスタム矯正歯科装置は、今までは永久歯列の患者さんを対象にしたものでした。しかし今回はこのマウスピース型カスタム矯正歯科装置を混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期:早ければ6〜7歳から)の患者さんにも使用出来るように開発されたことに関するトピックスがメインでした。

実は正直、今回のフォーラムの案内が届いたときには「混合歯列期にマウスピース型カスタム矯正歯科装置なんて無理だよな〜、聞きに行っても時間の無駄だろうな〜」と思っていたのですが、フォーラム終了後には「これは症例を選べば有効な治療ツールになり得る!」と考えが変わりました。残念ながらまだ日本では33名のドクターにしか使用する権利が与えられていません。

そして幸いなことに私はその33名の中に選んで頂いております(だから参加した訳ですけれど)。そうは言ってもまだ日本では実績の少ない治療法ですので、当院で導入するかは慎重に検討して行きたいと思います。*2019-3-10追記:その後適応症と思われる方で安全に治療出来ると判断した数名の患者さんに導入していますが、良好な経過が得られています。但し、まだ症例数が少ないので評価はまだ先になるかと思います。

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 フォーラム後は、せっかく東京に来たので以前から行ってみたかった場所へ。到着するとベストポジションはすでに数個の三脚が並んでいたため少し左からの撮影になりますが、ずっと撮りたかった永代橋からリバーシティ21と屋形船の軌跡ですが、こちらもまだまだ修行が足りていません。

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投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

2017.10.15更新

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クリンチェックについて(その1)を読まれていない方は、まずこちらの記事から読んで頂いた方がわかりやすいと思います。→ クリンチェックについて(その1)

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今回はクリンチェックの応用編として、実際のケースを基に考え方の一例を記載してみたいと思います。下図は実際の患者さんの口腔内をiTero Elementでスキャンした画像です。

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実際には360度あらゆる方向から見ることが出来ますが、わかりやすいように5カット取り出しています。

 

上下歯列ともに叢生(凸凹)があるうえに、上顎前歯は前方に傾斜しています。単純に凸凹を並べていけば上顎前歯はさらに前方に飛び出てしまいますので、矯正歯科治療を行ううえでは抜歯が必要かもしれません。しかし、そんなに簡単に抜歯することを決定してはいけませんので細かく検討していきます。

 

矯正歯科治療を開始する前に必ず撮影する側貌セファログラムです。上顎前歯が突出しているのがわかります。

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上顎骨のあるポイントから下顎のあるポイントを結んだ線から上顎前歯が14mm離れています。MBLOG_CC_APO

 

理想は赤の両矢印の距離が8mmくらいまでなのですが、この方の場合には(上の歯が出ている割には)口元の突出は多くありません。そのため、9mmくらいまで改善できれば大分良くなることが予想されます。そこで、再度この方の3Dバーチャルモデルを見てみます。

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まずは歯を抜かずに治療可能かどうかを検討します。上図①のラインまで上顎前歯を後退したいところですが、主に真ん中の2本を後退させればよく、左右の2番目の歯は多少前に移動しても許容されます。その他、上顎右側の第一大臼歯が特に手前側に回転してしまっているので、是正することによりSpaceが確保できます。加えて、上顎奥歯の後方移動を行うことができれば、さらにSpaceを獲得できます。下顎に関しては一番後方の左右第二大臼歯が内側(舌側)に倒れ込んでおり、手前の左右第一大臼歯は手前側に回転してしまっているので、奥歯4本を正しい位置付けにすればSpaceが獲得できます。まずは歯を抜かずに治療可能かどうかを検討します。以上のような事項を、クリンチェック前の指示書に明記して、こちらの意図を伝えることが重要です。

処方箋を提出後、早ければ1週間程度で最初の治療シュミレーションが届きますが、そのまま使用できることはまずありません。

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届いたシュミレーションでは上顎奥歯の後方移動を2.5mm程度行うように設定してあります。マウスピース型カスタム矯正歯科装置は、従来のWIREを用いた矯正治療と比較して、この奥歯の後方移動が行いやすいとの報告があります。しかし、どれだけ技術が進歩してもデジタル化が導入されても、原理原則が変えられる訳ではありません。

 

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この方の場合、上顎の奥歯を後方移動させるためのSpaceがどのくらいあるのかは、上図の赤い両矢印の距離を計測します。計測によれば、片側につき1〜1.5mm程度の後方移動しか行うことが出来ないと予測されます。シュミレーションでは2.5mm近く後方移動を行っているので仮に移動が可能だったとしても長期に安定しない可能性が高いと思われます。そこでシュミレーションをやり直してもらいます。

 

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赤線を引いてある部分になりますが、上顎奥歯の後方移動量をこの患者さんにとって現実的な数値に変更してもらいます。但し、そのままでは後方移動を減らした分だけ上顎前歯の後退量が減ってしまいますので、IPR(interproximal redution)を加えます。IPRとは、歯と歯の間を少し削って隙間を作る処置のことですが、削るというよりはヤスリをかける感覚に近いもので、当然歯の健康や寿命に問題ない範囲で行います。上図の左側に歯と歯の間に記載してある数字がIPRの量で、.2とは0.2mmを意味し、歯と歯の間で0.2mm、それぞれの歯にとっては両側を0.1mm削るシュミレーション(.3は0.3mm、それぞれの歯にとっては両側を0.15mm)となっています。

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勿論、最初から「この患者さんの奥歯の後方移動許容量は1~1.5mmです」と伝えても良かったのですが、私は敢えて上記のようにしています。「前歯は治療前よりも何mm後退させたい」「上顎奥歯を後方移動させてSpaceを作りたい」は最初に指示しますが、奥歯は何mmしか後退出来ないと指示してしまうと、かなり無理のあるシュミレーションを作成してきたり(その無理がアチコチに散りばめられるため気づきにくくなったりもします)、IPRの箇所や量がメチャクチャ多いシュミレーションが出来てきてしまいます。クリンチェックには実際の患者さんと異なり、歯を支えている歯槽骨も歯周組織も存在しないため3D空間上では何処までも移動可能なので実現不可能な計画だって出来てきてしまいます。敢えて指示しないで出来てきたシュミレーションの後方移動量と現実とのギャップを見ることが必要と考えています。そのギャップが多過ぎる場合や代償的にIPR量が相当増えてしまうようであれば、無理に非抜歯法での治療を行うことよりも、抜歯法での治療を検討した方が良い場合もありますし、従来のWIRE矯正の方が良い可能性もあります。

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さらに言葉のやり取りでは難しい修正は、3Dコントローラーを使用して矯正歯科医が個々の歯を正しい位置付けになるよう修正していきます。

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これ以外にも、奥歯を2本同時に後方移動するのは無理だから1本ずつ移動させるとか、犬歯を含めた前歯6本を同時に後退させるのは無理があるので予め犬歯だけを後方移動させるとか、患者さんごとに移動計画を指示していきます。そうしていると、殆どの場合で5〜10回のクリンチェック修正が必要になります。

 

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殺す気か!ってくらい、クリンチェックの確認を早くしてね、とメールが届きます(^_^;)

 

参考:歯を抜く矯正、抜かない矯正

投稿者: 三田矯正歯科医院 三田浩明

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