デジタル3Dデータを用いたクリンチェック治療計画の〜
2020.08.17更新
本日は、今年限りの8月10日山の日でしたが、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療に関するWEBセミナー:デジタル3Dデータを用いた、クリンチェック治療計画の作成および評価方法(応用編)に出席しました。
講師の個人情報は隠しました。この後のセミナー自体は撮影禁止です。
透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療の成功の鍵は、患者さんサイドからは使用時間と正しい使用法。ドクター側からは症例選択と適切な治療計画(クリンチェック)の作成がメインになるかと思います。どちらかと言えば、歴史がそれほど長くないこの治療法では、治療計画作成のノウハウも日進月歩で、優秀な矯正歯科医同志の情報交換により、少しずつ良くなっているように思えます。10年ほど前までは、「プラスティックをはめているだけで治る訳無いだろう!」と殆どの矯正歯科を専門にしている歯科医師は見向きもしなかったこの治療法も、改良が重ねられ、治療可能な症例の範囲も急速に広まってきました。反面、矯正治療の知識や経験が乏しい歯科医師でも、歯型さえ採れば後はコンピュータが治療してくれると勘違いして手軽に開始してしまうという性質があり、残念な結果を多く生み出してしまっていることも事実です。最近、雨後の筍のごとく出現している○○○ラインなどの格安マウスピース矯正ビジネスなどは、、、それは機会があれば書くことにしましょう。
話がそれました。以前も書きましたが、透明マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の1つであるインビザライン治療においては、他のどのマウスピース矯正にも見られない優秀な治療計画シミュレーションソフトがあります。しかしながら、今あるマウスピース矯正の中で最も優れていると思われるクリンチェックも、矯正歯科治療経験豊富な歯科医師が修正しないと、そのままでは使い物になりません。シミュレーションの中には非現実的な動きが含まれていることが多く、それを現実的なものに変えるため、何度も修正指示を出さなければいけませんし、それ以前にこのシミュレーションでは、頭蓋の中でどこに歯が存在しているのかまでは再現されません。つまり、歯列が顔貌の中で平均よりも前方に位置しているのか、後方に位置しているのか、右にズレているのか、左にズレているのか等の情報は含まれておりません。そのため矯正歯科医が従来通りの検査データに基づく診断を行い、矯正治療後のゴール設定を明確にして指示書を記載します。そうしなければ、前歯を前方に傾斜させてはいけない症例なのに前歯を前方傾斜させる計画が出来てきたり、(歯を支えている骨の厚みが足りないのに)歯列の拡大量が現実的でない計画が出来てきてしまいます。
今回のWEBセミナーではこのクリンチェック治療計画を、どれだけ実際の歯列と頭蓋の位置関係と一致させられるかについての有益な情報を得ることが出来ました。日々、進化していく治療法に、おいていかれないよう頑張らないといけません。
投稿者: