従来、矯正装置(ブラケット)の装着方法は、1歯1歯患者さんの歯を見ながら直接接着する方法=DBS(ダイレクトボンディングシステム)でした。歯の軸(歯根の方向)を考えながら正確な位置付けをするには、患者さんが1時間近くも開口状態でいる必要があり負担が大きくなってしまいます。また奥歯では歯の正面から歯の軸を見ることは不可能で、ある程度勘に頼った装着法でありました。
一方IDBシステム(インダイレクトボンディングシステム)は患者さんの歯の模型を用いて多角的に観察し、レントゲンなどで歯の根の方向も確認して位置付けをしていきます。模型上でブラケットを仮着していくため何度でもやり直すことが出来るため、より正確な位置付けが可能です。
レントゲン写真で歯の根の方向も確認しながら装置(ブラケット)を装着する位置を決め、模型にラインを引いていきます。
当院では各種あるIDBシステムの中からコモンベースシステムを採用しています。
実際の口腔内では見えない方向などからもよく検討して装置(ブラケット)を模型に正確に仮着していきます。
そして模型上で仮着したブラケットに透明な移送トレー(レジンベース)を作製して患者さんの口腔内に装着(接着)していきます。正確な位置決めにより精度の高く効率的な治療を患者さんに御提供できるシステムです。
模型上で仮着した装置(ブラケット)にレジンベースを作成します。今回は写真で見えやすいようにピンク色で作成しています。レジンベースが硬化したら取り外し、患者さんの歯に装着します。装着後、レジンベースは撤去可能です。
このコモンベースの作成に関しては技工所での作業ではなく、院長自らが責任をもって計測・仮着・作成まで行なっており、この際にもサージテルという拡大鏡を使用して精密な位置付けを心掛けております。